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  • 事業拡大のスピードを緩めないために。技研株式会社がKanagleeで手にした、役員会で“打ち手”を語れる資金繰り

2026.08.19

事業拡大のスピードを緩めないために。技研株式会社がKanagleeで手にした、役員会で“打ち手”を語れる資金繰り

技研株式会社(GIKENホールディングス)

業種

自動化・搬送設備の設計・製作・据付

従業員数

110名

当初の課題

  • 事業拡大のため先行支出が膨らみ、資金繰りが逼迫
  • 会計ソフトの資金繰り機能では項目・期間が足りず、自作Excelで1年分を手管理
  • 長期融資の借入、グループ化するなか、資金の全体像を先々まで見通す必要が高まった

実際の効果

  • 銀行口座の自動連携で日々の資金繰り更新が高精度化・自動化。役員会で資金繰りをそのまま報告できるように
  • 先々の資金が見えることで、正確な資金繰り見通しを踏まえた意思決定が可能に
  • 資金繰りが複雑化するなかでも表の更新の手間を削減しながら、精度と見やすさを向上

石川県能美市で自動化・搬送設備を手がける技研株式会社は、従業員20名ほどの規模から、いまや従業員110名・生産高60億円規模へと成長を続けてきた。その成長の過程で、更なる事業拡大に向けて生産体制を強化するため、ホールディングス体制へも移行し、さらに新工場の建設に伴い本格的な長期融資の借入に踏み切った。会社が大きくなるほど、資金の流れは複雑になる。成長のスピードを緩めないためには、資金繰り管理の高度化が欠かせなかった。Excelと会計ソフトを手作業でつないでいた同社は、資金繰り管理クラウド「Kanaglee」を導入。銀行連携と可視化により、役員会は“実績を確認する場”から“先手の打ち手を決める場”へと変わった。

今回は、入社以来、経理から資金繰りを担ってきた大塚取締役専務と、数年前より資金繰り管理業務を引き継いだ八十島さんに、導入前の課題、他のツールではなくKanagleeを選んだ理由、そして役員会での議論まで変えた導入後の変化について伺いました。

 

従業員20名から110名へ。成長を続ける、自動化設備の一貫メーカー

ー まず、技研株式会社さんの事業について教えてください。

大塚取締役:弊社は、自動化設備の設計から製作、組み立て、現地での据え付けまでを一貫して行っています。なかでも“搬送装置”に特化していて、事業は自動車・アルミ・産業機械の3本柱です。

自動車では、国内の大手自動車メーカーさんのほぼすべてに装置を納めています。エンジンを構成する部品を、加工機から加工機へと正確に運ぶ——ミクロン単位の精度が求められる搬送を得意としています。

技研株式会社製品:ケーブルレス式ガントリーローダー

大塚取締役:標準品はほとんどなく、基本は一品一様の受注生産です。お客様の工場や加工機の配置によってラインはすべて変わりますから、仕様書をいただいて、設計から製造、現地据え付けまで一貫して行います。規模は1ラインで2,000万円から5,000万円ほど、大きな案件になると億単位になります。

ー 競合と比べて、御社ならではの強みはどこにありますか

大塚取締役:まず間違いなく、品質です。ミクロン単位の精度を、大型の装置でも実現します。また生産開始後の不具合も少なく、長く利用いただけることです。

もう一つは、多くのメーカーさんが現地で組み立てるのに対し、私たちは一度自社工場ですべて組み立て、試運転まで済ませてから納めること。だからお客様の工場でラインを止める期間がとても短い。ラインが止まること自体が大きな損失ですから、そこは他社さんとの大きな違いだと思います。

技研株式会社 大塚取締役専務

 

ー 事業が広がり、会社数も増える中で、資金の流れにもかなり複雑さが出てきたのではないでしょうか。

大塚取締役:大きな案件だと、引き合いから納入まで半年〜1年ほど。設計の間は社内の人件費だけですが、図面ができると製作や部品の購入が始まり、原価のおよそ7割が先に出ていきます。入金は、最終的にお客様の検収が終わってから。つまり、支払いが先行するんです。前金をいただけることは、多くありません。

 

「無借金経営」から、成長のための先行投資へ

ー もともとは、銀行からの借入をほとんどされていなかったと伺いました。

大塚取締役:創業以来、できるだけ借金をしない経営を続けてきました。私が入った頃は社員20名ほどの小さな会社で、なるべく外部借入はせずに自己資金のみで事業運営をしてきました。いまの本社・工場も11年前に約20億円をかけて土地取得して建設しましたが、これも全額自己資金です。

ただ、お金が貯まってから作るのでは、受注の機会創出に間に合いません。工場や設備は、将来の受注を確保するための“先行投資”だと考えています。幸い内部留保もありますから、必要なときは借りてでも作るべきだ、と。それで今回の新工場は、初めて大きな借入をして建てました。

技研株式会社 新工場外観

ー 初めての大型借入で、社内の意識に変化はありましたか。

大塚取締役:以前は、借入もなく好調だったこともあり、資金繰りをこまかく報告する場はほとんどありませんでした。いまはお金を借りていますし、出ていくお金も入ってくるお金も大きい。営業も担当取締役中心に『入金は少しでも早く、支払いは遅く』と条件を意識するようになり、経理に入金のタイミングを確認するなど、意識がだいぶ変わりました。

ー ホールディングス体制へ移行された狙いも教えてください。

大塚取締役:さらに成長していくためです。自動車のEV化が進めば、いまの搬送がいずれ必要とされなくなる危機感もあります。既存事業だけでは生き残れない。不足する部分をM&Aで補い、お客様にワンストップで提供していく。事業会社は事業に集中し、資金や管理は持株会社が統括する——そういう体制にしました。

八十島さん:ホールディングス化して、事業会社で資金が不足しそうになれば持株会社が支える、という2社の動きになりました。グループ全体で資金を見るようになりましたし、M&Aや投資回収計画も踏まえて『何年後にいくら必要になるか』と、長期で資金を見据えるようになりました。

技研株式会社 管理部経理課・経営企画室 八十島さん

 

Excelの限界。「一つ変えると、全部変えないといけない」

ー Kanaglee導入前は、どのように資金繰りを管理していたのですか。

大塚取締役:会計ソフトに付いている資金繰り機能は、項目が少なく月ごとでしか出ませんし、期間も短い。正直、まったく使えませんでした。だから自分でExcelを作って、1日ごとの資金繰り表を最低でも1年分。毎日チェックして、10日に一度は銀行残高と合わせる。どの作業よりも、資金繰りを一番見ていました。

Excel資金繰り表のイメージ

八十島さん:その手作りのExcelを引き継いで、システム化したいと探すなかで、まず会計で使っているソフトに付帯されている資金繰り表機能を試しました。

ただ、会計ソフトでは最大で6か月先まで、しかも売掛金として立てたものしか反映できない。私たちに求められていたのは1年先まで見通す資金繰り表だったので、そこは会計ソフトの機能では足りませんでした。

ー 受注生産ならではの、資金繰りの難しさはありましたか。

大塚取締役:支払いは月ごとにだいたい読めるのですが、入金は検収が1か月ずれれば1か月ずれます。そうなると一時的に資金繰りがひっ迫することもある。そこが受注生産のいちばんの苦労でした。

回収の予定が変わるたびにExcelを直すのですが、直した瞬間に『やっぱり元に戻った』となると……正直、面倒くさい(笑)。一つ変えると全部変えないといけないので、他の人にやってもらうとミスも出やすいんです。

 

展示会で見つけた、唯一の“資金繰り特化”

ー Kanagleeとは、どのように出会われたのですか。

八十島さん:会計ソフトの資金繰り機能はいくつも見ましたが、どれも項目が足りず“使えない”。資金繰りに特化したシステムは、探しても本当に見つからなくて。展示会で出会ったKanagleeが、唯一の特化したシステムでした。

ー 約1か月のデモを経て導入を決められました。決め手は何でしたか。

八十島さん:実務担当として、まず操作がとても楽でした。銀行と連携しているので、毎日転記しなくていい安心感もあります。会計ソフトでは資金繰り表を修正するにあたって、仕訳データの詳細まで確認して修正しないといけなかったのが、見ている数字を直感的に直せる。質問すれば何でも答えてくれてサポート体制が充実していたのも大きかったです。

大塚取締役:私のような立場からすると、これまで数字でしか見られなかったものが、視覚的にパッと分かる。切り替えもできる。報告するにも理解するにも分かりやすくなったのが、役員にとっては非常に大きいですね。

ー 費用対効果は、どのように判断されましたか。

大塚取締役:従来のコストと新しいコストを比べるのはもちろん、役員会での見せ方・見え方が良くなるというプラス要素も含めて総合的に判断しました。払う金額以上の効果がある、と。

ー 初期設定やオンボーディングは、いかがでしたか。

八十島さん:月に一度のミーティングで、現状を報告したり相談したり。システムのことだけでなく、銀行取引のような総合的な質問にも答えてもらえましたし、開発担当の方と直接『こうしてほしい』と話せたのもありがたかったです。

大塚取締役:本当に至れり尽くせりで。こちらの希望をよく聞いて、すぐ取り入れてくださいました。

 

役員会が変わった。「先が見える」から、動ける経営へ

ー 導入後、実務としてはどう変わりましたか。作業時間の面ではいかがでしょう。

大塚取締役:Excelの頃は毎日見ていました。短くても5分10分、10日ごとの入出金のときは1時間ほど。月にならすと1日分くらいは使っていたと思います。

八十島さん:いまは売上規模も当時と大きく変わっているので単純比較は難しいのですが、私も手をかけるのは月1日分ほど。しかも以前Excelではできなかったことも相談しながら実装いただけて、時間は減ったのに精度は上がり、見やすさも良くなりました。

Kanaglee: 月次キャッシュフロー画面イメージ

ー 月末の役員会は、どう変わりましたか。

大塚取締役:役員会では、私が画面を映して報告します。見ればすぐ分かるので、とても分かりやすい。先々が見えるので、『検収を早められないか』といった議論もその場でできますし、グループ内の資金移動も検討しやすくなりました。

銀行に対しても、『明日貸してほしい』ではなく、早い段階から『もしかしたら借りるかもしれません』と先行して相談できる。稟議には時間がかかることもありますから、これは大きいです。

ー 導入して、想定外に良かったことはありますか。

八十島さん:期待していなかったのに良かったのが、AIの自動判定です。過去のデータから『これは家賃』『これは売上』と勝手に振り分けてくれる。最初に手で分ける手間がなくなりました。大塚取締役:私は知らなくて、聞いてびっくりしました(笑)。

 

今後の期待と、製造業の方へのメッセージ

ー 今後、Kanagleeにどんなことを期待されますか。

大塚取締役:今後、グループ会社が国内外で増えていったときに、海外も含めてグループ全体の資金を統括して管理できるようになると、とてもありがたいですね。

八十島さん:受注生産なので、お得意先ごとに回収サイクルが違うのを、いまはExcelで管理しています。顧客管理システムと連携して、締め日や入金・支払い方法を読み込ませ、検収が上がると入金予定も自動で変わる——そんなことができたら、と思います。

ー 同じように、資金繰りをExcelで管理している製造業の方へ、メッセージをお願いします。

大塚取締役:アナログで管理していたものがデジタルになり、見え方も格段に良くなりました。資金繰りはセンシティブな話題でもあり、どうしても他社とは情報を共有しづらく、他社がどのように管理しているのかという情報も、世の中にはなかなか出てきません。ですが、同じ悩みを持つ経理の方は必ずいるはずです。既存システムのおまけの資金繰り機能では物足りない、という方にこそ、紹介したいですね。

八十島さん:管理に限界を感じている方は多いと思います。AIやDXで間接業務を効率化していく流れですから、その一環としてこうしたシステムを取り入れて、空いた時間をもっと生産性を生む仕事に使ってはいかがでしょうか。

ー 最後に、技研さんとして今後めざす姿を教えてください。

大塚取締役:お客様に、より良い製品を、より早く、より低価格で提供したい。そのために事業規模を大きくし、新しいことにも取り組みながら会社を発展させていきます。石川県能美市の一企業ですが、いずれは能美市を、そして石川県を代表する企業へと成長していきたいと思っています。

※記事中の部署名、役職名等は取材時のものです。

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